▼イタリアンワインの歴史! 医療用? 女性は飲むことすらできなかった!?

「ワイン発祥からローマ時代のワインの製造方法」

ワイン発祥からローマ時代のワインの製造方法

葡萄はなんと1万年も前から栽培されていて、ワインが生まれる前はぶどうジュースとして飲まれていました。
そのぶどうジュースが自然発酵されたことをきっかけに、ワインとして飲まれるようになったのが、ワインが生まれたきっかけです。

醸造技術を用いてワインを製造したのはメソポタミアが最初ですが、紀元前2850年ごろのエジプトでも、お酒が入っていたと思われる壷に「ワイン」という文字が刻まれていたそうです。

イタリアで醸造技術を用いてワインが製造されるようになったのは、青銅時代に入ってから。 醸造技術はギリシャもしくは南アフリカから伝わったとされていて、移住してきたエトリアル人がワインを栽培して、他国に輸出もしていました。

このころからギリシャ人はイタリアを「ワインの土地」と呼んでいたそうですから、イタリアのワインの歴史はかなり古いということがわかります。 ローマ帝国の時代、ローマの領地がどんどん拡大されたことによりイタリアワインはヨーロッパ全域に広がっていきました。

「ワインは医療用で飲まれていた?」

ワインは医療用で飲まれていた

当時からとても多くの種類があり、その数はなんと185種にも上ったそうで、当時のワインはアルコール度がかなり強く、砂糖や香辛料などいろいろな材料を配合して作られていたそうです。 ワイン樽の防水性を高めるために松脂をたっぷり塗っていたので、後味に松脂の風味が残るなど、今のように飲みやすく美味しいワインではなかったようです。

現在のように飲用として楽しむには飲みにくい味だったので、そのまま飲むのは医療用として飲む時のみでした。 今もワインには体によい成分が含まれている点が注目されていますが、当時からワインは体に良いものだという認識があったのです。

当時は、普段ワインを楽しむ際には、水で割ったり、蜂蜜を加えてお湯で割ったりなどした上で飲むことが多かったようです。 しかしその後、ローマの文化が向上してワインの製造技術が上がってきたことや、ローマ人の味覚が変わってきたことから、そのままワインを飲むスタイルに変わっていきます。

その時代に醸造された「Opimiana」というワインは「奇跡のヴィンテージワイン」ともいわれ、150年後にも美味しく飲むことができたという記録が残されています。

「女子は飲むことすら許されない!?」

女子は飲むことすら許されない

ローマ帝国がどんどん大きくなるにつれて、さらにワインはヨーロッパ全域に広がっていきました。 ギリシャ人はワインを思い切り楽しんでいましたが、ワインが広がると同時に、酔っ払って自分を見失ってしまう人が増えていったのでしょうか、ローマ人はワインの悪い面に注目するようになります。

ローマの建国者であるロムルスは飲酒制限を発令し、男性は35歳まで飲酒禁止、女性に対してはさらに厳しく飲酒について取り締まりました。 なんと女性が飲酒によってハメを外してしまったら、最悪死刑になってしまうこともあったようですから、その厳しさが伺いしれます。

宗教行事で定められた祝日には、乳として飲むことは許されたそうですが、なぜ女性はそこまで厳しい決まりが定められたのか疑問です。 因みに、飲酒によって離婚をしてしまった夫婦もたくさんいたようで、妻の飲酒が原因で離婚をしてしまったという最後の記録が、紀元前194年にされているそうです。

「イタリアンワインの品質の低下と復活の歴史」

ワインを広く普及させたイタリアでしたが、近代になると低迷期を迎えます。 ヨーロッパの反映とともに、フランスワインが大人気となり、量を重視して生産されてきたイタリアワインはフランスワインの質に劣るようになってしまいます。

フランスワインに人気を奪われた理由として、質の低いワインを生産していたということもありますが、フランスは気候や大地がぶどうの栽培に適しており、高品質のワインを生産できる環境だということもあるようです。

しかし、1963年に原産地呼称制度が制定されたことにより、イタリアでも品質にこだわったワインを造ろうと考える生産者が増え、イタリアワインの品質が飛躍的に向上していきます。 因みにイタリアは北部、中部、南部すべてでワインを栽培していて、北部はピエモンテ州、中部はトスカーナ州、南部はシチリア州などのワインが有名です。 南北、そして中部の大地で育った葡萄で作られたワインには、それぞれの味わいがあり個性豊かで、多彩な魅力があります。

イタリアンワインの品質の低下と復活の歴史

まとめ

今では世界一の生産量を誇るイタリアワインは、ローマ帝国時代からさまざまな歴史をたどって現在に至っています。 何気なく飲むイタリアワインも勿論おいしいですが、こうした歴史を踏まえて口にするワインは、また味わい深いものがありますね。

イタリアは葡萄の品種が非常に多く、幅広い味のワインを楽しめるほか、手頃な価格でおいしい銘柄も多いので、ワイン好きの方はぜひ積極的にいろいろなイタリアワインをお楽しみください。 ワイン初心者の方も、銘醸産地、有名銘柄の「イタリアワイン」を一度は挑戦してみてください!


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イタリアンワインの歴史


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