▼ラベルを読める男はかっこいい! イタリアンワインの格付けと歴史


ラベルを読める男はかっこいい! イタリアンワインの格付けと歴史
ワインの原材料であるぶどうは、水分があまり豊富ではない痩せた土地のほうがよく育つ植物です。 このため、あまり肥沃ではない地中海沿岸諸国では数千年前からぶどうが広く栽培され、その保存のためにワインの醸造技術が発達してきました。

ワインの生産高が多いのはフランス・スペイン・イタリアなどの南ヨーロッパですが、中でもイタリアワインは赤・白・ロゼ共にバリエーションが多く、世界中の食卓で愛飲されています。

イタリアンレストランに行ったときにワインのラベルを見ただけで格付けを説明してあげることができれば彼女があなたに注ぐ目もより熱くなること間違いなし。 ここではイタリアワインのラベルを見分けるコツについての豆知識をご紹介します。
 

「質より量だった時代から「イタリアワイン・ルネッサンス」が起きるまで」

イタリアワイン・ルネッサンス

イタリアの土壌は日本と比較するとはるかに石灰分が多く、飲水も硬水でしかも量が常に不足している状態が数千年前から続いていました。 このため、痩せた大地でもよく育つぶどうの絞り汁から作られたワインは数千年にも渡り、水に代わる飲み物として貴重な役割を果たしてきました。

この土地ではミネラルウォーターよりもワインのほうが安いことはイタリアに旅行に行ったことのある人ならご存知だと思います。 イタリアワインは日々の食卓には欠かせない役割を果たしてきたため、長い間質を尊重するよりも量で勝負してきた酒蔵が多いことも事実です。

ところが1970年から80年代にかけてぶどうの栽培技術やワインの醸造技術が徹底的に見直され、格段に向上するという歴史的な動きがイタリア全土でみられるようになりました。 この動きは「イタリアワイン・ルネッサンス」あるいは「スーパータスカン」と呼ばれ、イタリアワインの品質が飛躍的に改善されました。

具体的にはフランスワインの技術を取り入れてバリックと呼ばれる小さい樽で醸造を行う、ぶどうの収穫量を敢えて抑えるなどの方法でイタリアワインは「質より量」から「量より質」の時代に突入していくことになります。

「イタリアンワインの格付け改定前4つの格付け」

イタリアンワインの格付け改定前4つの格付け

イタリア半島は南北に長いため、北と南では全く異なる気候や景色が展開されます。 このバリエーションがイタリアという国の魅力でもあるわけですが、ワインの原産地によって同じイタリア国内でも名称が厳密に規定されています。

1963年にイタリアのワイン法(DOC法=Denominazione di Origine Controllata)で定められた格付けではDOCG・DOC・IGT・VdTという4つのランク分けがされています。 DOCGは統制保証付原産地呼称ワインと訳され、イタリアの最上位のワインだけにこの名称が許されています。 このワインを見分けるためにはボトルの口に貼られているラベルに注目しましょう。 DOCGの赤ワインには紫色、白ワインには黄緑色のラベルが貼られています。

DOC(統制原産地呼称ワイン)はDOCGの1つ下の格付けです。 生産地や醸造方法、品質なども細かく規定されています。

続いてIGT(地域特性表示ワイン)にはピエモンテやシチリアなどといった生産地の名前が付与されます。 4番目の格付けVdTはテーブルワインという意味です。

「イタリアンワインの格付け改定前3つの格付け」

イタリアンワインの格付け改定前3つの格付け

2009年8月には4つあった格付けはEUの原産地名称保護制度によってDOP、IGP、地理的表示無しの3つにまとめられました。 これにより、それまでDOCGとDOCの2つに分かれていた格付けはDOP(Denominazione di Origine Protetta)に集約されることになったのです。

この名称保護制度はワインに限らずEU内で生産される肉や魚・チーズなどにも拡大して適用されています。 DOPワインのラベルには使用されているぶどうの品種と収穫年が記載されていますので、イタリアワインに使用されるぶどう品種と豊作の年を研究しておけば、レストランでワインを注文したときに彼女の前でうんちくを傾けることができます。

イタリアンが好きな彼女と付き合っているのであれば、どの年のワインがおいしいのか最低限のポイントを押さえておけば食卓での会話も豊かになることは間違いありませんね。 IGPのマークが付いたワインは条件がDOPほど厳格ではありませんが、中にはDOPよりもコスパのいいワインもあるので要チェックです。

おすすめIGPワイン
29 クオータ プリミティーヴォ 赤ワイン     カナヤ ゴールド フルボディ 赤ワイン
エステッラ モスカート 辛口 白ワイン     白ワイン 辛口 ディ ジョヴァンナ グリッロ バイ ナイト  

 

「ラベルは楽しみながら見るのが正解!」

ワインというのはそれぞれの土地の天候や土壌、歴史を物語る一種の文化です。 一本一本に大切に瓶詰めされたワインを味わうのはその土地の文化を理解するのと同じことですから、ワインを飲む際にラベルに書かれている物語を正しく読み取ることができれば、彼女との食事の時間もひときわ楽しいものになるはずです。

ラベルにはワインの銘柄名や度数、製造会社の名称、ぶどうの収穫された年などの他にその年に瓶詰めされたボトルの数なども明記されています。 ですから希少価値の高い一本を高級イタリアンレストランで開ける際などには「この年のこのワインは○本しか生産されていないんだよね」などと彼女に解説をしてあげることもできます。

また、「Classico」「Riserva」「Superiore」などのイタリアンワイン特有の表記にも慣れ親しんでおけば彼女により深い印象を与えることができます。 特にRiservaというのは規定の期間より2年以上の熟成期間を経た逸品ですから、同じワインでもRiservaがある場合にはこれを注文すると彼女から好感度はグーンとアップ!?

まとめ

ワインは数千年前の製造法を今に受け継ぐ歴史的な飲み物です。 歴代のローマ皇帝に愛され、聖書にも登場するこの飲み物を理解することは地中海沿岸諸国の歴史を理解することにも繋がります。

イタリアワインのラベルはもちろんイタリア語で記載されていますが、読み方のコツさえ覚えれば難しいものではありません。 ボトルの中央に張ってあるラベルの他に、イタリアワインは首の部分に「FASCETTA(ファシェッター帯)」というラベルも付いていますから、この部分の読み方も勉強するとより通っぽく見られます!



このエントリーをはてなブックマークに追加


イタリアンワインの歴史


1. イタリアンワインの歴史! 医療用? 女性は飲むことすらできなかった!?

2. 歴史を振り返って納得! イタリアワインとフランスワインが永遠のライバルなワケ

3. ラベルを読める男はかっこいい! イタリアンワインの格付けと歴史

4. イタリアはワインの神様に愛された? ワイン栽培が盛んになった歴史と理由

5. イタリアンワインの代表的な産地3つ|歴史や品種など物語を知るとより美味しくなる!

6.ワインの王こと「バローロ」の歴史!モダン派と現代派の衝突と進化

7.ぶどうの陰干しで濃縮した味わいが魅惑的な長期熟成赤ワイン「アマローネ」の歴史

8.「イタリアワインの女王」と讃えられるブルネッロ・ディ・モンタルチーノの歴史

9.イタリアワインの白ワイン代表と言えば「ソアーヴェ」!その歴史や特徴とは



新着商品