▼イタリアンワインの代表的な産地3つ|歴史や品種など物語を知るとより美味しくなる!


イタリアンワインの代表的な産地3つ|歴史や品種など物語を知るとより美味しくなる
ワインは紀元前3000年以上も前から地中海諸国を中心に製造・愛飲されてきた歴史的なアルコール飲料です。 ローマ帝国の時代にも歴代皇帝はイタリアの大地の恵みであるワインを愛飲して止みませんでした。  

ぶどうを原料としたこの飲み物は主に南ヨーロッパで生産されていますが、中でもイタリアの年間ワイン生産量は4万8800hL(ヘクトリットル=100リットル)と世界一を誇っています。 生産量2位はフランスの4万1900hL、3位はスペインの3万7800hLで、この3ヶ国だけで世界のワイン生産量の半分近くをまかなっていることになります。 ここでは特にイタリアワインの有名産地にスポットを当てて、その魅力を探っていきましょう。
 

「ヴェネト州、その歴史とワイン」

ヴェネト州、その歴史とワイン

イタリアは面積こそ広くありませんが、国土が南北に1000km以上も伸びているために各土地の気候条件や地形は独特で、生産されるワインにも地域性が強く打ち出されているのが特徴です。

イタリアの主要なワイン産地の中でも質量共に優良なことで有名なのは北部のヴェネト(VENETO)州。 北はオーストリアに隣接し、山岳地帯や美しい湖、そして海岸部を擁するヴェネト州には観光地として世界的に有名なヴェネツィアやロメオとジュリエットの舞台となったヴェローナなどの街があります。

このヴェネト産のワインの中でも特に有名なのは「アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ 」と呼ばれる赤ワインです。 地元で栽培された固有の品種ぶどうを収穫した後3〜4ヶ月陰干しをして水分を飛ばし、ぶどうのエッセンスをとことん凝縮させた後に醸造を行うこのワインは、中世時代は貴族のみが口にできる高級ワインでしたが、現在は日本のイタリアンレストランでも賞味することができます。

ヴェネト州ではこの他にコスパがいいことで知られている白ワイン「ソアーヴェ 」や甘口の白「レチョート・ディ・ソアーヴェ」なども生産されています。

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「ピエモンテ州」

ピエモンテ州、その歴史とワイン

ピエモンテ(PIEMONTE)州はスイスおよびフランスと接するイタリア北部の州です。 文字通りアルプスの山麓(ピエモンテ)に位置するこの土地は美食家が多いこともあり、良質で繊細なワインが輩出されています。

中でもバローロ(Barolo)村で生産されている「イタリアワインの王様」バローロはタンニンが少なく軽い口当たりの赤ワインが多いイタリアにおいては珍しく渋みの強いフルボディに仕上がっており、イタリア国外でも珍重されています。

バローロワインの品質は90%が畑、残りの10%がセラーの良し悪しによって決まると言われるほどで、土壌と畑をいかに整えるかで味が決まってきます。 ピエモンテ州にはこのバローロの他にもバルバレスコ、ガッティナーラ、アスティ・スプマンテなどの銘柄があり、それぞれにファンを獲得しています。

バルバレスコはややオレンジがかったルビー色が美しい赤ワインで、バローロほど長い熟成期間(20年以上)は必要としませんが、それでもフルボディのワインとして肉料理とは絶妙な相性を見せます。

女性が気軽に飲むのなら発泡酒のアスティ・スプマンテがおすすめですね。

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「トスカーナ州」

トスカーナ州、その歴史とワイン

文化の香り豊かなイタリアの中でも特にルネッサンス芸術の中心として有名なフィレンツェを擁するトスカーナ(Toscana)州では美術や文学と共に優れたワインや料理が何百年にもわたって栄えてきました。

イタリアワインの中でも世界的に最もよく飲まれているキャンティ(Chianti)もトスカーナ産のワインです。 キャンティの作付け面積は240,000ヘクタールにも上り、ボトルにすると年間1億3千万本ものキャンティワインが出荷されていますが、その内容はピンからキリまでというのが現状です。

価格も1,000円程度から1万円を超えるものまでバリエーションが豊かですから、イタリアワインをしっかり勉強したいのであれば キャンティ と キャンティ・クラシック(老舗)の違いなどもしっかりと押さえておくとよいでしょう。

トスカーナのワインでもうひとつ、必ず把握しておかなければならないのがブルネッロ・ディ・モンタルチーノ(Brunello di Montalcino)と呼ばれる赤ワインです。 辛口で「イタリアワインの女王」とも呼ばれるこのワインはチーズや赤身の肉、あるいは野鳥料理などとの相性が抜群です。

トスカーナ州は産地のバランスがとても良いです。キャンティ・クラシック、カルミニャーノのような伝統産地に、ヴィーノノビレディモンテプルチャーノ、ブルネロディモンタルチーノ、キャンティ、ヴェルナッチャ ディ サン ジミニャーノなどが続き、一方、新興産地であるボルゲリやスヴェレートも存在感を主張しています。
モレッリーノ ディ スカンサーノ、エルバ、モンテクッコ、コルトーナなどのユニークな個性を持った産地も数多くひしめいています。全体としての充実ぶりでは、トスカーナに敵う州は少ないでしょう。

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「イタリアンワインを選ぶときのポイント」

イタリアワインは軽い白の発泡酒から熟成に20年以上かかる赤のフルボディまでバリエーションがかなり豊かです。 ですからどんなシーンにも必ず最適の一本が見つかるはず。

お値段のほうも1000円台のリーズナブルな価格帯から当店ではご用意しておりますので、ワインについて学び始めて間もない方はとりあえず数をこなしてそれぞれの特徴を知ることが大切です。

基本的には魚料理には白ワイン、肉料理には赤ワインがおすすめですが、イタリアにはコスパのいいロゼもたくさんありますから、華やかな雰囲気を演出したい時にはロゼワインがおすすめです。

イタリア語ではロゼワインは「ロザート(Rosato)」と呼ばれており、飲みやすいスパークリングや甘口でフルーティーなものなどさまざまなタイプがあります。

また、黄金色のデザートワイン「ヴィン・サント」も一度は試してみたいワインのひとつです。 収穫したぶどうを数ヶ月間陰干しにしてレーズン状態にしてから醸造するこのワインはちょっと梅酒にも似た味わいで、女性には好評です。 ただ、安いものでも6000円ぐらいはするのが難点と言えば難点です。

ちょっと変わったところではシチリアで作られている酒精強化ワイン「マルサラ」などもあります。 ティラミスを作るときにアクセントとして加えるなど、さまざまな使い方が楽しめるワインとして人気があります。

イタリアンワインを選ぶときのポイント

まとめ

世界一のワイン生産量を誇るイタリア。イタリアではワインは特別なときに飲むのではなく、毎日の食卓に欠かせないアイテムです。「水よりも安い」と言われるワインを樽で量り売りしている酒蔵もたくさんあり、1リットル100円程度でなかなかのワインを賞味することもできます。

ワインは古来、その薬効が珍重されてきた飲み物ですから、脂の多いお肉やこってりとしたバターなどを使用したお料理のときにはワインで上手にバランスを取れば高脂血症などの予防にも役立ちます。 イタリアの食生活を研究して、毎日気軽にワインを飲む習慣をつけるのも悪くありませんね。



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