▼ぶどうの陰干しで濃縮した味わいが魅惑的な長期熟成赤ワイン「アマローネ」の歴史

アマローネの歴史-バナー

ワインと言えば、シャトー地方で作られていることで有名ですが、熟成させることで非常に良い味にあると言われています。実際に質の高いワインほど、熟成させることでよりうまみが増すことになります。そのため、同じワインでも安いのは1,000円以下で購入することができますが高いものは5万円以上するものを珍しくありません。

イタリアワインの中でも有名なものの1つは、アマローネになりますが、この特徴が一体どのように行うかを知っておくと良いでしょう。その時に、ワインそのものの価値も重要ですがそれだけではなく歴史を知ることでより味わい深く飲むことができるのは間違いないところです。

 

古代ローマ時代からある醸造手法「アパッシメント」

ワインの歴史は非常に古く、メソポタミア文明の時代からあったと言われています。さらにその歴史をさかのぼると、紀元前8000年までさかのぼると言われていますが、現在のものとは少し異なるワインだったことがわかります。昔の場合には、たまたまぶどうが熟成しただけでそれがワインとされていたわけですが、少しずつ時代とともに改良を施し現在の形のようになりました。

古代ローマ時代にはアパッシメントと呼ばれる手法でぶどうを陰干ししたわけです。従来にはないやり方で、この手法を取り入れることで、より一層ワインの旨味が増すことになりました。最初は現在のイタリアの中でもローマ地区に限られて生産していましたが、次第にその手法が広まるようになり様々な作り方が出来上がってきます。ただ、大元の部分はアパッシメントの手法になりますので、作り方が大きく変わったと言っても元の作り方から完全に変化したわけではないことがわかります。

 

甘口から辛口になり、「アマーロネ」の誕生!

アパッシメントにより、現代に通じるイタリアンワインの基礎が出来上がったと言っても良いですが、通常はぶどうを陰干しすると甘口になりやすい傾向があります。実際に干しぶどうなどは現在でも売られていますが、口の中で噛み締めてみると辛さはなく甘口になっているはずです。ところが、甘口のワインでは飽きたらず辛口のワインを作りたいと考えている人が出てきました。

古代の後の時代からかなりの年月が経ち20世紀の前半になるとイタリアワインは甘口から辛口へと変化していきます。これは、発酵させる過程で今までとは違った手法を用いることで辛口にすることができるわけです。その結果、20世紀の初頭には甘口のワインと辛口の場合の2種類が揃ったわけです。辛口の場合のことを、アマローネと呼んだりしています。もともとの言語は、イタリア語のアマーロから来ていると言われており甘い味のことを意味しています。

 

独特な醸造工程から生み出される贅沢なワイン

イタリアワインの伝統的なアマローネは、従来のワインの製法と異なり独自の製法を用いて作り出されたものになります。従来であれば、ぶどうを8月から9月のやや気温が高い時期に摘み取り、それを陰干しすることで甘みを出していくわけですが、そのままでは辛口にはなりません。それだけでなく、深みが出にくい傾向があります。そこで、収穫する時期をずらして9月から10月ごろに収穫するようにしました。この時期に収穫されたものは、かなり熟していますが同時に辛口の部分もあり、これを利用すると辛口になるわけです。

また、収穫したワインを陰干しするだけでなく、すのこの上に並べるのが特徴です。まず前面にすのこを敷き、そこの上に収穫したぶどうをのせて行きます。それで終わりではなく、ぶどうを並べるときには少し重なり合わせるような形で並べることで、深みが出てきます。この工程は伝統的なものとして現在も続けられています。

 

アマローネに使われるブドウ品種と特徴

製造するときに他のワインとは製法が違うことがわかりましたが、実は元々のぶどうの品種も他のワインとは違うとされています。では一体どのようなものを利用しているかと言えば、コルヴィーナ種やモリナーラ種、さらにはロンディネッラ種と言われている独特のぶどうが用いられています。これにより、従来のワインの苦味をより一層引き出し、他のワインとは違う独自性を築き上げていくわけです。しかも、単に苦いだけではなく、濃いチョコレートを食べたような苦さで非常に上品な味わいになります。

これらのぶどうの品種自体は、どこでも手に入れることができるわけではなくイタリアのローマ周辺に多い傾向があります。その土地の環境や独特の栽培方法により他では真似できない手法をとっていることから、日本などでは製造することが難しくなっています。結果的に、アマローネは魅力的なワインに仕上がり、現在でも高い人気を誇っています。

まとめ

ワインの歴史は、紀元前8,000年頃から始まるといわれており、当時の手法は現在と少し異なりましたが、徐々に現在のような手法に変わってきました。イタリアのワインとして知られているアマローネは、少しずつ改良が加えられて行き20世紀の初頭に出来上がったものです。このワインが人気の理由は、なんといっても独特の苦味を味わうことができることでしょう。

苦味を出すために、9月から10月ごろ収穫されたぶどうを利用しています。しかも特定の3種類の品種だけを用いているのが特徴です。陰干しを行いますが、すのこの上に少し重ねるようにして干していくのが特徴になります。




アマローネ特集



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