誤解を受けやすい自然現象

 



■ ワイン中の浮遊物(オリ)について


ワインの中に微量のオリが発生していることがありますが、これは天然の葡萄果汁や発酵による酒石、葡萄カス(果肉、皮、種の破片)、酵母カスで、オリが発生することはむしろ自然ともいえます。 まして、近年多くなっている元詰め生産者によるフィルターを通さず清澄もせずに瓶詰めされたワインや、オリと共に寝かせ上澄みをすくうというミュスカデ・シュール・リーなどは、他のワインよりもさらにオリの出やすいワインといえます。 また、ボルドーなど渋みの強い赤ワインの場合、瓶での熟成によってタンニンや色素がオリとなって沈殿します。 オリが出ているからといって嫌がっていては、品質の良いワインを自ら拒否するようなものです。 これらは葡萄に由来するもので人体には無害ですが、ざらざらして口当たりが悪く苦味もあるので、飲む数日前に瓶を立てておき出来るだけ瓶の底に残してグラスに注いでいただくか、別の容器に移して飲んでいただくことをおすすめします。 但し、白濁し、透明感がなくなってしまっているような場合には、変質している可能性が高いといえます。


 

■ コルクに付いたカビについて


キャップシールを取るとコルクの上に、黒いカビが付着していることがあります。 これは湿度の高いセラーで保存されたワインのコルクの上部に発生したものです。 ドイツやフランスを訪れ、本格的なセラーを御覧になられた方はご承知のことと思いますが、彼らはセラーが黒カビにおおわれていることを誇りにしています。 つまり、黒カビが発生するような状態が、ワインには最適であるということで、むしろ良い状態で保管されていた証拠ともいえます。 カビは、温度15度、湿度75%が基準で、例えば湿度が76%になるとカビが発生します。 空気に触れる部分にのみ発生し、ワインの中には育成しません。 開栓する際に、布巾等できれいにふきとれば、何等ワインの品質に悪影響を与えるものではありません。


 

■ 瓶の底やコルクに見られる白や赤の結晶体(酒石・ワインシュタイン)について


ワインの瓶の底あるいはコルクのワイン側に、酒石沈殿物(ドイツではワインシュタイン)と呼ばれる白(赤ワインの場合は赤の場合も)に光る結晶体があることがあります。 これは、葡萄に含まれる酒石酸と葡萄が土から吸い上げたカリウムとが結合したもので、品質的に優れたワインにのみ現れます。 ドイツの多くの人々は、「ワインのダイヤモンド」と呼んで喜びます。 また一般的には、無色透明でキラキラ光るガラスの結晶体のように出ますが、白い粉のように出たり、白く発泡スチロールのように出たりもします。 特に、白い発泡スチロール状のワインシュタインは、ベーレンアウスレーゼやトロッケンベーレンアウスレーゼのような超高級ワインに多く現れます。 これらは葡萄に由来するもので人体には無害ですので、出来るだけ瓶の底に残してグラスに注いでいただけばおいしく飲んでいただけます。 ただ最近は、アメリカや日本などの消費者からのクレームが多いため、瓶詰めする前にワインを冷却して取り除く処置をとっている生産者が増えています。


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